今あなたは将来のために貯蓄していますか?
では聞きます。それは、何のために貯蓄していますか?
老後のことを考えて?やりたいことをするため?それともリストラされたときのため?
日本銀行によれば、自宅で現金を保管するいわゆるタンス預金が100兆円を超え、今や101兆円を超えたそうです。
貯めすぎ…
未来のことは誰にも分からないのに、あなたは今を我慢して不明瞭な未来に投資していませんか?
今回はそんな本のご紹介です。
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こんにちは、ゆるめです!
著者:ビル・パーキンス 【DIE WITH ZERO】人生が豊かになりすぎる究極のルール
この本を読んだ感想と、少しずつできる「人生を後悔しない」生き方を発信していきたいと思います。
目次
絵本から学ぶ思考
イソップ寓話の「アリとキリギリス」の物語を知っていますよね?
夏の間にアリはせっせと働いて、来たる冬のために食べ物を貯蔵していました。一方キリギリスは、夏の間は遊びほうけていました。
やがて冬になりキリギリスは飢え死に、アリは貯蔵した食物により冬を越しました。
この物語は、アリにスポットが当たりすぎており、死んだ?であろうキリギリスの生き方は揶揄されすぎています。
この本のテーマは、未来のことばかりに意識がとらわれている「アリはいつ遊ぶことができるのか」という内容になります。
寓話【アリとキリギリス】不幸なのはどっち?
人それぞれ価値観が違うため、どちらが正解不正解と議論するのは無駄かもしれません。
ボク自身も、自分の人生を謳歌できたキリギリスが幸せで、奴隷のように働いたアリが不幸というつもりはありません。
では何が言いたいかというと、現代社会はアリのようなせっせせっせと働き、老後のために貯金する生き方が美徳とされ、キリギリスの今を楽しむ生き方が反面教師として捉えられすぎています。
この本はキリギリスの生き方を推奨しているわけはなく、”その中間にある最適なバランスをみつけること”と述べています。
楽しみを先送りにしていませんか?
いつか働けなくなったときのために、今この瞬間を犠牲にして働いていませんか?
実際あなたも、このような経験があるんじゃないかと思います。
- 子どものころから「もしものことがあったときのために、お金は節約しましょう」と教えられる
- お小遣いはもらうけど「無駄づかいはダメよ」と言われるため少しの駄菓子を買い、残りは貯蓄する。
- アルバイトをし、社会人になり、いつの間にか遊ぶことを忘れて働きアリのように会社に埋没している
- 旅行に行きたいのに会社を休めない、休んだら迷惑がかかると思っている
確かにお金を貯めておくことは大事なことです。貯金はせずにもらった給料は全部使え!という極端なことではありません。
この章で何が言いたいかというと、今ここでしかできない経験を、貯金が減るからという理由で逃していませんか?ということです。
いつか富士山に登りたいと思って働いていても、それは今しかできないことかもしれません。90歳になってからその願いを叶えるのは難しいでしょう。
余暇を楽しむためにお金を貯めこんでいても、すべて使い切れずに世を去ることもあるんです。
今この瞬間がいちばん若い
「何か始めるのに遅すぎることはない」
そんな言葉がありますが、これは年齢を言い訳にして何も始められない人へ向けたメッセージです。
事実50歳、60歳で起業するパワフルな人だっています。
ただ若いうちに経験できることは、その後の人生において有利にはたらくと思いませんか?
失敗してもその「経験した」という事実は、まぎれもなくあなたの財産になり、あなたの武器になります。
「老い」というのは「たばこ税」みたいなもので、徐々に蓄積されていき気が付きにくい。
当然のことですが、明日より今日のほうが若いんです。
今その若さでしかできないことを、経験すべきなのです。
人生の最後に残るのは「思い出」
人生最後の日をイメージしたことありますか?
それは誰にでも必ず訪れる一日です。
ボクたちは、そのやがて来る最後の日をあまり直視せず、話題を避け、いつか来るんだろうと軽視しがちです。
ボクたちは人生最後の日に何を思うのでしょう?それはそれまでの生き方次第で変わるのでしょう。
A.「若い頃は苦労ばっかりで働いてばかりの人生だったな。でもたくさんお金を稼げた。使い切れなかったけど。」
B.「若い頃にたくさん海外旅行に行けたし、あの国の夕日は絶景だった。素敵な仲間たちとたくさん笑い合えたし良い人生だった。」
上の2点は極端ですが、やがて訪れる最後の日をイメージすること、直視することが大事であり、今この瞬間をどう生きれば「良い人生だった」と言えるのかを考えてみることが重要なのです。
キリギリスみたいに生きましょうと言っているわけではありません。
この本は、アリの生き方が持ち上げられすぎており、キリギリスの生き方は軽視されている状況にメスを入れているのです。
「ゼロで死ぬ」とは?
タイトルでもある通り【DIE WITH ZERO】は(ゼロで死ね)という帯に巻かれたインパクトある本です。
簡単に言えば、「貯蓄を使い切ってから死のう、若い内にお金を使おう」という内容ですが、「いつ死ぬかなんて誰にも分からないから、貯金なんてしてんじゃねーよ」と言っているわけではありません。
別に貯金している人をディスっているわけでもないし、今、お金を全部使い果たせと言っているわけでもありません。
将来のことを見据えすぎて、あらゆる経験や挑戦、チャンスを我慢し、お金を使い切らずに死んでいく人に対して揶揄しているとでも言いましょうか(からかっているのも違うような笑)。
お金を浪費している人へ
本書では「スタバのコーヒーを毎日買っているあなたへ」という章があります。
内容は”決して安くはないコーヒーを毎朝買い、一日を始める人がいます。このちょっとした贅沢が、一年間でどれほどの額になるか気が付いていない”と書かれています。
参考
コーヒー一杯:500円×出勤20日間×12ヵ月=120,000円!!!!
つまり、そのお金を国内・海外の旅行費に使い、行ったことやしたことがない経験に費やすほうが有意義だと述べています。
もちろん、お金の価値観も人の好みもそれぞれですから、年間12万円で毎日コーヒーを買うことが何よりも重要と言う人もいるでしょう。
ただこの習慣がなければ、何ができただろうと考えながらコーヒーを楽しんでほしいですね。
習慣である自動運転モードは超危険?
前述したコーヒーの習慣は自動運転モードであり、自動運転モードは自ら抜け出しにくくなります。
自動運転モードで喩えるなら会社員です。
朝から晩まで働いて、休日まで働いて、働くことが習慣になり、大事なことがぼやけてしまうことですね。
ボク自身がその習慣に陥っていました。
「家族を守る」という大義名分で働きまくり、昇進、昇給に酔い、バーサーカーとなり完全に麻痺していました。
そのストレスから昼まで寝るし、現実逃避で酒を浴びるほど飲むし、家族とたくさんの思い出を作ることや、娘の成長を間近で見ていませんでした。
働くことが喜びの源泉
このように感じて働いている人も中にはいると思います。
仕事で生きる実感が湧く人もいますし、何より仕事を愛している人もいます。
仕事を愛する人からの言葉で、本書ではこのように書かれています。
仕事そのものが楽しくて充実した経験なら、仕事で得られる金は副産物にすぎない。焚き火の後にできる灰の山みたいなものだ。焚き火をする目的は灰をつくることではない。暖をとったり、明かりを得たりしたいからだ。灰はその結果としてできるものにすぎない。
引用元:【DIE WITH ZERO】ルール3本文より
確かにこのくらい仕事を愛している人は、仕事をしすぎて後悔することは少ないかもしれません。
しかし本書では、好きなことで稼いだお金を使って、贅沢な旅行をしたりパーティを開いたり、お気に入りのライブを観に行くことなど、仕事とは無関係の経験を推奨しています。
その理由は、せっかく手にしたお金なら価値ある経験に替えるべきなのです。
つまり、金は活きた使い方をすべきなのです。
資産を子どもに残せ問題
「ゼロで死ね」と言われると、必ず言っていいほど「自分の子どもに資産を残さないのか」と返ってくるそうです。
実際、ボク自身もそう思いながら読み進めておりました。
しかし本書ではこのように述べています。
”子どもには死ぬ「前」に与える”
詳しく解説していきます。
死んでから与えるのは遅すぎる
結論から述べると、「自分で使うお金と、子どもに残すべき金は別物」ということ。
「自分の子どもに資産を残す」という人に限って、実際には子供たちのことを後回しにしているのだそう。
子どものことを第一に考えているのであれば、生きているうちに子どもに与えてから、最大限に活用できるタイミングを一緒に考えてあげること。
うん、納得。。
死後にもらうとうれしさ半減、価値は激減
この世を去る人間の遺産の相続先は基本的に配偶者や子どもたちになります(この章では子どもに焦点を当てます)
しかしいつ死ぬかもわからない、すなわち遺産相続のタイミングは、受け取る側が一番お金を必要としているときとは限りません。
言わば遺産相続のタイミングを、偶然に任せてしまうということです。
本書では、どれくらいの「額」を、「誰に」、「いつ」相続するか。ランダム(Random)に決まることを「3R」と呼んでいます。
この偶然に任せてしまうと、相続した子どもがお金を最大限に活用できるタイミングを逃してしまう可能性が高くなります。
子どもにお金を与えるのは、死ぬまで待つのではなく、生きているうちに与えるのです。
あとは余暇を楽しめる範囲(お葬式費用とか医療費も含めて)のお金で自由を満喫しましょう。
子どもが親と過ごす時間(子どもとの経験か?仕事か?)
ここまでは「お金」の話がメインになっていましたが、もっと大事なことがあります。
あくまでもお金は、経済的に豊かになるための手段であり、お金を貯めることが目的になってしまっては大事なことが見えなくなります。
前述しましたように、働きすぎて子どもと一緒に過ごす時間をないがしろにしてしまうことは、子どもの成長を間近で見ることができず、ボクみたいに後悔することになります。
失われた時間は二度と戻ってきませんし、0歳の我が子をリアルで見ることは二度とできません。
そのかけがえないのない時間を取り戻す術は、絶対にないのです。
それでも現状を変えずに、仕事をしますか?
仕事を断ることができないとかなら、この記事を一度読んでみてほしいです。
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人生を謳歌するために|リスクは取りにいく
リスクと聞くと誰もがマイナスなイメージを持ち、敬遠しがちになります。
「失敗は成功の基」という言葉は、頭では分かっているものの、失敗するということは結果論であり、突き進んでいくには勇気がいります。
目の前に2枚のトランプカードがあり「A」を引けば1億円、ダメなら借金1億円という1/2のギャンブルのような話をしているのではありません。
しかし、そうやってリスクを怖がっていれば何も始まらないのは事実。チャンスは向こうからはやってきません。
年齢とともに守りに入る
人は年を取るほどリスクを恐れて守りに入ります。
もちろんそれは家族や仕事など、なくしてはいけないことが頭をよぎるからでしょう。
だからこそ、失敗しても取り戻せる若い内に、たくさんの経験をすべきなのです。
若いときのほうが失敗のダメージは少なく、成功のメリットは大きいのですから。
失うことの大切さと怖さ
「失う」ということは、とても悲しい響きの言葉ですよね。
ボクは過去に12年間勤務していた仕事を失ったことがあります。夜中まで働いて働いていたのに、いとも簡単に。とても焦り、とても嘆きました。
退職前の有休消化の1ヵ月のあいだ、お金を稼ぐ方法がない焦りとともに、「自分」というものが何者であり、これから何ができるのか。と、冷静に考えられた時間でもありました。
無事に転職し、そのほかにも本ブログの立ち上げや副業など様々なことに挑戦しています。
人は窮地に立たされないと、簡単には変えられませんし、今が平穏だとリスクを恐れることばかり考えます。
失うものがなくなった人間が一番強く、恐ろしいものなのかもしれません。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
本書を読んで、記憶の奥底にフタをしていた「子どもと過ごせなかった後悔」があらわになり、より落ち込んでしまった自分がいます。
ただ前を向かないといけないという思いもあり、自分の余生を謳歌するために色々とチャレンジするとともに、娘と過ごせる時間を大切にしたいと強く思いました。
今この瞬間が一番若いのですから。
とても良い本に巡り合えました。
それでは。
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