この記事をご覧になられている人は、他人へのイライラで疲れている方が多いのではないでしょうか?
今回の記事は、仕事やプライベートでの人間関係で疲れている方向けに、「人間関係での悩みはいかに時間の無駄なのか」をテーマに解説していきます。
目次
【書評/解説】頭に来てもアホとは戦うな
著者:田村耕太郎
書籍名:頭に来てもアホとは戦うな
アホを題材とした内容ははじめの2章くらいで、残りはビジネスマインドや人生論になっており、読み進める途中で「ん?これ何がテーマだっけ?」となりました。
ビジネスマインドというかビジネスにおいての思考を、著者が経験を踏まえて解説されています。
途中、ゴルフやカラオケでの立ち振る舞いや、スーツの着こなしのコツ、プレゼン方法、飲み会を有意義にする方法など、タイトル以外にかなりの情報が詰め込まれています。
冒頭に本来伝えたいことを凝縮させ、中間から尻すぼみしていく感は否めません。
アホとの戦いの避け方だけ学びたい場合は、70ページほど読めば書いてあります。
しかし人生論の話は、それはそれで納得できる内容でした(後述します)。
こんな方におすすめ
- 職場に気の合わない同僚(上司)がいる人
- 自分の思い通りにいかないとイライラしてしまう人
- 人間関係で悩んでいる人
- 他人の目、評価が気になる人
アホとはどのような人物を指すのか?
アホの定義:
一言で言えば、あなたがわざわざ戦ったり、悩んだりする価値のない人間である。そして不条理な人物である。あなたにとって一見、目障りで邪魔である。時として正当な理由もなくあなたの足を引っ張ってくる当たり屋でもある。あなたに体当たりして絡んで、自分の価値を上げようとする人物だ。
引用:本書16頁
いわゆる頭の悪いアホという意味ではなく「話が通じず考え方が自分とずれているなど、戦う価値のない相手」のことを、本書ではアホと揶揄しています。
かなり攻めた言い方でアホを連発されていて、読んでて面白いです。
アホを相手にしてしまう人の特徴とは?
アホを相手にし時間を無駄に使っている人の特徴を解説していきます。
アホを相手にする人の性格
- 正義感が強い
- 自信にあふれる
- 責任感が強い
- プライドが高い
- おせっかい
・正義感が強い
メモ
正義感が強い=物事を判断する基準が善悪を最上位に置いている人
例えば、一世風靡した「半沢直樹」やバラエティ番組の「スカッとジャパン」など、正義感を持った人物が迷惑な悪を懲らしめるというストーリーはストレス社会である日本において人気が出ます。
見ていて面白いと思いますよね。
現実世界ではあのようなストーリーはほとんど起こらず、非現実的だからこそ見ていてスッキリし憧れすら覚えます。
しかし、そういう悪を懲らしめる時間が無駄であり、仮に正論を叩きつけて懲らしめたとしても、相手はより極悪になって自分の前に立ちはだかり、また争いが起こります。
そのような無駄時間を費やすのであれば、自分のスキルアップのために時間を費やすほうがよっぽど建設的なのです。
・自信にあふれる
自信にあふれるとは、様々なことを指します。
メモ
- 相手を論破できるという自信
- 相手に権力闘争で勝つ自信
- 相手に成果で勝つ自信
- 根拠のない自信
自信を持つことはいいことなのですが、自信の持ち方が違うだけでアホを相手にしてしまう傾向になります。
また自信がある=”過信してしまう”ことにもつながり、脇が甘くなります。
自信があることはときに自分を助けてくれますが、自信があるゆえに相手を論破してしまい、余計と関係をこじらせてしまいます。
こじらせると前述したとおり、より極悪になって帰ってきます。
・責任感が強い
正義感と近いものがありますが、レベルが頭一つ抜けているのは身勝手な正義感とは違い、組織のために献身的な物の考え方があるという点です。
しかし弱点というと、責任感があるゆえに組織に立ちはだかる者を排除しようと、アホと戦ってしまう傾向があるということです。
組織のために戦うのではなく、相手を気持ちよくさせて組織のために誘導するようにしましょう。
・プライドが高い
メモ
プライドが高い=他人によく思われたい
他人によく思われたいがゆえに、相手に馬鹿にされたら歯向かってしまいます。
無駄な争いが一つ増えますよね。
生きていく上で、こういったプライドは邪魔な存在でしかありません。
質の高い仕事をするというプライドを持ち、愚直に仕事を遂行する中で馬鹿にしてくるアホがいるのであれば、そんな相手とは仕事をしなければいいのです。
・おせっかい
おせっかいな人は相手を是正しようとする気持ちが人より強く、自分の信念を相手に突き付ける人のことです。
アホ相手にも是正しようとしてしまいますが、残念ながら他人は変えられません。
姑が今までの経験を嫁に教えても、大体の場合はおせっかいにしかならず、むしろ逆効果になるパターンが多いのと同じです。
アホを相手にしないためには?
まず、この人生においての不条理は受け入れることです。
期待しすぎて自分の思うようにことが進まない。それが当然と思うようにしましょう。
会社や学校など人と接する機会が多い環境では、自分より劣っていると感じられた場合マウントを取ろうとしてきます。
アホほどそういう思考に捕らわれてがちになりますが、本書では「相手の力を利用せよ」というメッセージがあります。
どんなに攻撃されてもその場は我慢し、やられているフリをしましょう。
マウントを取りに来ている人間は、周りが見えておらず足元をすくいやすい。
敵をつくるメリットはない
仕事をしている人にとって「敵」という発想は邪魔にしかなりません。
敵をつくるのはスポーツをするときくらいと本書では語っています。
敵という発想は相手のことを邪魔な存在、排除したいという発想からきているものであり、こちらサイドの心が狭いだけ。
敵ではなく、「ライバル」と位置付けることにより、競い合える、ときには仲間にもなれるという広い心と柔軟さは持ち合わせておきましょう。
あなたが敵と思っている人は、踏み込んでコミュニケーションをとってみると、意外とイイ人だったりするかもしれません。
悩む時間のタイムコストを考えよう
悩んだり、苛立ったりする時間はもったいないということです。
その時間をスキルアップのために投資しましょう。
他人に固執すればするほど、時間はどんどん流れていきます。
人生は永遠ではありません。その時間を生かすも殺すも自分次第、もっと有意義に使いましょう。
人生で最も大切な資源は「時間」なのですから。
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【人生論】他人の目なんか気にするな
間をかなり割愛していますが、自分が気に入った箇所だけ発信しています。
”他人の目を気にするな”とは、「他人からの評価」や「相手からどう思われているか」を気にしすぎてしまい、本来の自分らしさを見失っていることです。
つまり、他人の人生を生きているということ。
本書では「他人から見た自分を意識する」ことと「他人から見た自分を妄想してそれに振り回される」ことは全く別とあります。
前者は本人が主役であり、後者は他人が主役になっています。
もっと自分と向き合う時間をつくっていきましょう。
死ぬときに後悔すること
本書にオーストラリアの看護師ブロニー・ウェアさんの「死ぬ瞬間の5つの後悔」という本が紹介されています。
他人の期待に応えようとするばかりの人生ではなく、自分が真に生きたいと思う人生を生きる勇気を持っていたかった。
引用:本書165頁
必ず誰もがやがて死にます。それをボクらは限りなく長い日々のように感じてしまい、死に対して考えることもしません。
やがてくる死の直前に、何を思うのでしょうか。
「他人にどう思われるのか」この邪念により、他人の人生を生きて死ぬより、精いっぱい自分の人生を生きて死んでいきたいと思います。
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不機嫌な職場で息苦しい人へ
もしあなたがブラック企業と言われる職場で働いている、もしくは毎日職場の雰囲気が張り詰めて息苦しいのなら、少しでもアドバイスになれば幸いです。
メモ
- 過度な期待はしないこと
- 逃げることも大事なこと
・過度な期待はしないこと
ストレスがかかる人は、何事も過剰に期待しすぎて思い通りにいかないときにストレスとして身体を蝕みます。
「人生はそもそも理不尽なもの」という感覚を持つことで、ストレスを軽減させることができます。
SNSなどで華々しい人生を送っている人を羨ましく思うことがあるでしょう。
そんなものの大半は、華々しく見えるシーンを切り取ってよく見せているだけであり、現実はそうではないことがあります。
過度な期待はストレスを溜め込む原因になるのです。
逃げることも大事なこと
組織に中にいる人は、必ずしも自分がやりたかった仕事ではない場合が多いです。
一つ目の「過度な期待はしないこと」でストレス軽減になるのであればそれでいいのですが、それでもダメな場合は逃げましょう。
嫌なら辞めることも一つなのです。
組織や他人に気を使って辞めることをためらっていたら、身体を壊しますし、壊してからでは遅いのです。
ボク自身も10年以上同じ会社に勤めていましたが、理不尽な異動命令がでたときに会社を辞め、別の会社に転職しました。
今では、あのとき決断して良かったって思えます。
逃げるは恥だが役に立ちます。
まとめ
本書では「アホとは戦わない理由と手法」「ビジネス論」「人生論」が書かれており、非常に読み応えのある一冊でした。
著者の田村氏が言いたいことは、「限られた資源を無駄使いするな」ということです。
他人とのいざこざで神経をすり減らし、時間という最も大事な資源を、悩む時間や苛立つ時間で浪費してはいけないということです。
本書とは関係ありませんが、ボクの大好きなロックバンド、ミスターチルドレンの「旅立ちの唄」の2番のBメロの歌詞に、
「今が大好きだって躊躇などしないで言える
そんな風に日々を刻んでいこう どんな場所にいても」
というフレーズがあります。
これを一つ目標として、ボクは日々を過ごすようにしています。
今回は以上、それでは。